従業員満足度が高い企業にはどのような特徴があるか、ご存知でしょうか。
本記事では、従業員満足度が高い企業の特徴と、従業員満足度が低い場合に打つべき施策例をご紹介します。
会社をよりよくするヒントを得て、従業員満足度が高い企業への一歩を踏み出しましょう。
1.従業員満足度が高い企業の特徴
従業員満足度が高い企業の特徴をまとめると、次のとおりです。
従業員満足度が高い企業に見られる5つの特徴
特徴 |
備考 |
1)従業員満足度調査を適切に実施している |
網羅性のある指標をもとに、従業員満足度調査を定期的に実施している |
2)待遇と仕事の質や量、労働時間のバランスがいい |
社員が労働条件を好意的に捉えており、給与に見合う仕事を行っている |
3)社員の働く意欲を高める工夫がなされている |
社員に対する適切なマネジメントがなされ、適切な人事評価がなされている |
4)会社風土や職場環境が整っている |
労働衛生に配慮し、社員へのハラスメント防止策が徹底されている |
5)福利厚生がよい |
社員ニーズの高い福利厚生制度が充実している |
前提として、従業員満足度は社員に対するアンケートやインタビューなどを用いた「従業員満足度調査」で企業ごとに計測するものであるため、そもそも従業員満足度の調査を行っていない企業は、従業員満足度が高い企業にはなり得ません。
また、網羅性のある指標をもとに定期的に従業員満足度調査を実施し、分析結果をもとに向上施策を実行しなければ従業員満足度は向上しないため、適切に従業員満足度調査を行うことは重要です。
従業員満足度調査の指標について知りたい方は次のコンテンツで詳しく解説しています。
従業員満足度の指標ごとに対策してエンゲージメントを高めよう
また、従業員満足度は、総合すると「社員が所属の企業で働くことを好意的に受け止めているか」について知る手段です。
社員が「待遇がよい」と感じる場合、労働条件のうちのひとつが突出して良いケースよりも、総合的にバランスがよいケースの方が評価されるものと推定されます。
例えば、給与水準が高くても、仕事の内容が社員個人の力量に見合うものでなければ、仕事の質がよいとは言えず、不満を生みます。
あるいは給与水準が高く社員が望む仕事内容でも、仕事量が多すぎて労働時間が長い状態が是正されない場合、社員が心身の健康を損なう恐れがあるため、良い待遇とは言えません。
どのケースでも「給与に見合わない労働を強いられている」と社員が感じた場合は離職につながるため、社員の働く意欲を高める工夫という側面でも適切に社員を評価して労働管理を行う仕組みが整っていなければ、従業員満足度が高い企業にはならないでしょう。
仕組みという面では、会社風土や職場環境も同様で、法令を遵守した労働衛生への配慮、社員に対するハラスメント防止策が徹底されている必要があります。
なお、「従業員満足度が高い企業」は、一般的に「福利厚生が良い会社」と呼ばれる可能性が高いと考えられます。
福利厚生のいい会社について知りたい方は次のコンテンツで詳しく解説しています。
福利厚生が良い会社とは?特徴や制度を解説
「福利厚生が良い会社」を目指すには、社員ニーズや社会情勢を考慮し、働きやすさにつながる福利厚生制度を充実させる必要があります。
また、福利厚生制度がただあるだけではなく、利用実績があることも重要で、社外に公開できるレベルの利用実績であれば採用広報としても有効と言えるでしょう。
2.従業員満足度が低い企業が打つべき施策例
従業員満足度が低い場合、会社が打つべき施策例をご紹介します。
- 1)給与待遇や人事評価制度、福利厚生の改善
- 2)職場環境を整える
- 3)非生産的な仕事をなくす
- 4)会社から社員へのメッセージ、社員間のコミュニケーションの質を高める
この他に、従業員満足度を向上させる取り組みについて知りたい方は次のコンテンツで詳しく解説しています。
従業員満足度を向上させる取り組みは?効果についても解説
1)給与待遇や人事評価制度、福利厚生の改善
給与や人事制度など社員の待遇についての不満は、早急に対策しましょう。
社員に「仕事の質や量と労働時間が見合わない」または「成果が十分に評価されない」と思われると、離職に直結します。
新たに人材募集して採用活動を行う費用と、既存の人材を引き止める費用を比べて検討し、人材コストの適正化を図りましょう。
2)職場環境を整える
「職場環境」に関する従業員満足度が低い場合、仕事のインフラが世の中の基準に達していない可能性が考えられます。
社員に「普通」と思われる待遇は常に移り変わるため、時勢にあった取り組みができているかどうかは、働き方改革の推奨内容を参照に検討しましょう。
福利厚生と働き方改革について知りたい方は次のコンテンツで詳しく解説しています。
働き方改革を推進する福利厚生とは?取組事例やポイントを解説
なお、上司から社員へ、あるいは社員同士での職場のトラブルはハラスメント問題に発展し、社員の心身の健康を損なうリスクとなるため、専用の相談窓口など組織的に解決できるように配慮しましょう。
ハラスメント問題など労務管理について知りたい方は次のコンテンツで詳しく解説しています。
労務問題とは?意味と具体例と起こさないようにするポイントを解説
また、業界・業種によっては適用できないケースもありますが、テレワークが可能だと思われる仕事の場合、在宅勤務制度の確立を含めた情報インフラの整備は早急に行った方がよいでしょう。
福利厚生のテレワークについて知りたい方は次のコンテンツで詳しく解説しています。
リモートワークを福利厚生に導入する方法と在宅勤務支援策を解説
3)非生産的な仕事をなくす
給与待遇や労働条件、職場環境に不満がなく、担当する仕事そのものは望むものだったとしても、定期的に非生産的な仕事があるだけで社員のモチベーションは低下します。
例えば、議題のない会議は時間の無駄であるため、定例会議は先に議題を募集し、できるだけ時間を短く、効率的に実施しましょう。
また、社員が行うべきとは言えない雑務は、予算があればアウトソーシングすることも検討しましょう。
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4)会社から社員へのメッセージ、社員間のコミュニケーションの質を高める
会社への愛着を高めるため、会社から社員へのメッセージとして、経営方針や会社のビジョンをきちんと伝える機会を定期的に設けましょう。
また、社員間のコミュニケーションの促進も有効です。
会社の運動会や社員旅行でコミュニケーションの「量」を全体的に増やす方法も有効ですが、「質」を考慮して社員の指向や興味をサポートできる福利厚生制度を活用するのがよいでしょう。
例えば、社員同士のランチ優待や、レジャー施設の優待、ブレジャー制度やワーケーション制度などが挙げられます。
福利厚生のランチサポートについて知りたい方は次のコンテンツで詳しく解説しています。
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ブレジャー制度やワーケーション制度について知りたい方は次のコンテンツで詳しく解説しています。
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3.従業員満足度の他社比較は意味がない?
従業員満足度の他社比較はあまり意味がないと考えられる理由は、次のとおりです。
- 労働条件や職場環境が異なれば調査項目も異なる
- それぞれの会社が独自の指標で計測している
そもそも「従業員満足度」は、「社員が満足しているか」という観点で、社内調査で指標ごとに計測したデータを前回比で比較して測定して「向上しているかどうか」を見定める目的で実施するのが一般的です。
海外は労働環境そのものの前提条件が日本国内とは異なるケースが多く、海外と日本の企業とで「従業員満足度」の数値をもとに比較や順序づけすることは無意味な行為と言っても過言ではないでしょう。
参照:International Information 諸外国の労働情勢及び社会保障情勢を知りたい(英米独仏の雇用施策や社会保障など)|厚生労働省
(執筆 株式会社SoLabo)
生23-5582,法人開拓戦略室