従業員満足度の向上はどのような効果があるのか知りたい方もいると思います。
また、従業員満足度向上に繋がる取り組みをしたいと考えている方もいると思います。
当記事では、従業員満足度を向上させる取り組みについて解説します。従業員満足度が向上することによる効果についても解説していますので参考にしてみてください。
1.従業員満足度の向上による効果は生産性向上と人材確保
企業の従業員満足度が向上することで生産性向上や離職率の低下などの効果を期待できます。従業員満足度を重視している企業は、売上高の向上や人材確保の状況が良くなる傾向にあるためです。
たとえば、厚生労働省の委託によって行われた調査※によれば、人材マネジメントやワークライフバランスに関連する取り組みを行っている企業は、取り組みの期間が長いほど、従業員数が増加しています。
また、従業員満足度を重視して雇用管理施策を行っている企業は、長期的に施策を行っている企業ほど業績が良いことがわかっています。
従業員満足度向上の効果は、人材確保や維持、生産性や業績の向上です。人材不足や生産性の低下に悩んでいる企業は、会社の従業員満足度に注目して取り組みを行うことを検討してみてください。
※厚生労働省「今後の雇用政策の実施に向けた現状分析に関する調査研究事業」(平成26年度)
2.従業員満足度を向上させる取り組みは従業員視点から考える
従業員満足度を向上させる取り組みは、従業員視点から検討します。従業員の悩みや重要視している事柄に関わる施策を行うことで従業員満足度が向上するためです。
【従業員満足度を向上させる取り組み】
- 人事評価制度の見直し
- 福利厚生制度の拡充
- キャリア開発や成長の機会の提供
たとえば、社員がワークライフバランスを重視する傾向にある場合は、休暇やテレワークに関する制度を整えることで従業員満足度の向上を期待できます。また、人事評価制度を見直すことで、従業員が適切な評価を受けられるようになり働く意欲が向上する可能性があります。
なお、企業や従業員が抱える課題や問題点を把握する手段としては、従業員満足度調査を行う方法があります。従業員満足度調査は、アンケートを実施することで職場に対する従業員の満足度を定量的に測る調査です。
従業員満足度調査の実施方法について詳しく知りたい方は「従業員満足度調査(ES調査)とは?具体的な方法を解説」を確認してみてください。
従業員満足度調査(ES調査)とは?具体的な方法を解説
人事評価制度の見直し
従業員の働きを給与や賞与などの報酬に反映する人事評価制度は従業員満足度に影響する要因になります。評価基準が不明確、評価のフィードバックが適切にされないなどがあった場合、従業員の不満が募り満足度の低下に繋がるためです。
人事評価を見直す際は、売上や継続率など定量的な評価の基準を明確にします。
しかし、サービス業など業務内容によっては、定量的な評価が難しい場合もあります。そういった場合は、担当業務の遂行能力や企画力など、会社が必要だと考える能力を定義し、評価基準として明示します。
また、従業員の人事評価制度に対する納得感は、評価を伝えるマネジメント層のフィードバックなどのスキルも影響します。そのため、人事評価の見直しにあわせて、管理層のコミュニケーションやフィードバックに関する研修などを行うことも検討しましょう。
福利厚生制度の拡充
会社の福利厚生を見直し従業員の欲求にあわせて拡充することで、従業員満足度を高められる可能性があります。従業員の休暇や、健康面に配慮した福利厚生などを用意することで従業員の働きやすさや、働く意欲が向上するためです。
【福利厚生制度の一例】
- 有給休暇の日数上乗せ
- 育児休業
- 住宅手当
- 人間ドック費用負担
- リモートワーク制度
たとえば、厚生労働省が行った調査※によれば、健康づくりの支援や余暇活動の支援などの福利厚生を実施していない会社に比べて、実施している会社の方が、「働きやすい」と答える人が多いことがわかっています。
従業員満足度向上に影響する福利厚生や、企業で導入事例の多い福利厚生について知りたい方は「従業員満足度が高くなる福利厚生とは?」の記事も確認してみてください。
従業員満足度が高くなる福利厚生とは?
※厚生労働省「働きやすい・働きがいのある 職場づくりに関する調査 報告書」
キャリア開発や成長の機会の提供
キャリア開発や成長の機会の提供が従業員満足の向上に繋がります。働き方の多様化や終身雇用の崩壊などにより、従業員が自身のスキルやキャリアパスを意識する傾向が高まっているためです。
たとえば、社内の教育制度を推進することで、従業員が必要なスキルや能力を身に着けるサポートを行います。また、部署異動の希望による人材の配置変更も1つの手段です。希望する部署で働き業務を行うことで、従業員の能力や意欲が向上することが見込めます。
なお、ノウハウや工数の問題によって自社内で教育体制の整備や研修を行うことが難しい企業は、組織や人事のコンサルティングを行う企業へ外注することも検討してみてください。
3.従業員満足度向上に繋がる取り組みに活用できる助成金がある
企業が従業員満足度を高めるための取り組みを行う際に、条件に当てはまれば使用できる助成金があります。
【従業員満足度向上に活用できる可能性のある助成金】
助成金名 |
概要 |
両立支援助成金 |
男性の育児休業や介護など仕事と家庭の両立を支援する取り組みが対象になる助成金 |
人材開発助成金 |
職務や新規事業の立ち上げなどによって必要になる知識、技能の訓練などが対象になる助成金 |
人材確保等支援助成金 |
研修制度や人事評価制度の見直しなど雇用環境の整備に関わる取り組みが対象になる助成金 |
たとえば、離職率の低下を目的にテレワークの導入・実施する場合は「人材確保等支援助成金(テレワークコース)」の対象です。また、男性の育児休業取得を推進する取り組みに関しては「両立支援等助成金(出生時両立支援コース)」の対象です。
ただし、助成金を利用するためには、該当する助成金の受給要件を満たす必要があります。助成金の概要や受給要件については、厚生労働省「事業主の方のための雇用関係助成金」を確認してみてください。
4.まとめ
従業員満足度向上によって従業員の生産性向上や離職率の低下などの効果が期待されます。それにより、企業の業績や人材確保に良い影響を与える可能性もあります。
従業員満足度を向上させるための施策を行う場合は、従業員視点から必要な取り組みを考えます。たとえば、従業員の悩みや課題を解決するための取り組み、働きやすい環境づくりなどがあります。
なお、従業員が求める取り組みを検討する際は、従業員満足度調査を行うことでより従業員に寄り添った取り組みになる可能性があります。そのため、従業員満足度の向上に向けた取り組みを検討している企業は、事前に従業員満足度調査を行うことを検討してみてください。
(執筆 株式会社SoLabo)
生23-4407,法人開拓戦略室